2024.12.26
飲酒対策
酒気帯び運転や酒酔い運転で捕まったらその後の人生はどうなる?

飲酒運転をすると重い刑罰が科せられるというのは、現在では多くの人が認識していると思います。では、仮に飲酒運転を起こした場合、その後の人生はどうなるのでしょうか?
「酒気帯び運転で捕まったら仕事はどうなるのか?」
「自分や自分の家族、被害者や被害者のご家族はどうなるのか?」
こういった疑問が、次々と湧いてくると思います。
この記事では、酒気帯び運転で捕まったらその後の人生はどうなるのか、について詳しく解説していきます。
目次
飲酒運転とは?
こちらでは、飲酒運転の内容や罰則について簡潔に解説していきます。
飲酒運転は「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」に分かれる
飲酒運転は「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」に、大きく分かれます。どちらも「体にアルコールを保有している状態で車を運転する状態」であることは変わりません。
飲酒の検査をする際に息を吐きますが、「呼気1L中に対して0.15mgのアルコール濃度」が検知されると、酒気帯び運転の対象です。
酒酔い運転は「アルコールの影響で正常な運転ができない恐れがある状態」を指しています。
アルコール濃度の数値に関係なく、アルコールの影響で正常な運転ができない状態と判断されると「酒酔い運転」と判断され、重い刑罰が科せられます。
飲酒運転の罰則
呼気1L中に対して、0.15mg以上のアルコール濃度が検知されると取り締まりの対象です。
飲酒運転の罰則については、次の表を参考にしてください。
違反種別 | 罰則 | 違反点数 | 行政処分 |
酒酔い運転 | 5年以下の懲役 または100万円以下の罰金 |
35点 | 免許取消し (欠格期間:3年) |
酒気帯び運転① 呼気中アルコール濃度 0.25mg以上 |
3年以下の懲役 または50万円以下の罰金 |
25点 | 免許取消し (欠格期間:2年) |
酒気帯び運転② 呼気中アルコール濃度 0.15mg以上0.25mg 未満 |
同上 | 13点 | 免許停止 (停止期間:90日) ※前歴がある場合は免許取消し |
アルコール濃度が0.15mg未満であるからといって、必ずしも飲酒運転にはならないというわけではありません。
体質的にお酒に弱い人であれば、呼気1L中のアルコール濃度が0.15mg未満だったとしても「酒酔い運転」で検挙される可能性があります。
たとえ少量であっても「飲酒した」という事実は変わりません。少しの飲酒でも、アルコールを摂取した直後は絶対に車を運転しないようにしてください。
酒気帯び運転で捕まったら会社にバレる?

仮に酒気帯び運転で逮捕されたとしても、警察から会社に連絡が行くことはありません。ただし、社用車での飲酒運転や仕事中に飲酒運転をしたら、会社に連絡が行きます。
また、実名報道されれば会社にバレる可能性はあります。そして、取り調べや裁判で無断欠勤が続けば会社に怪しまれて、最終的に飲酒運転が明るみになるかもしれません。
そのほか会社にバレるケースとしては、逮捕から釈放された際に、本人が家族への連絡を拒んだ場合です。捜査の関係や身元引受人の関係で、警察から会社に連絡する場合があります。
酒気帯び運転で実刑判決が出たら仕事はどうなるのか?
飲酒運転で実刑判決が出たら、最悪の場合は懲戒免職になる可能性があります。
たとえばトラックドライバーですと、会社によっては就業規則で明確に懲戒免職等と定めている場合があります。
参考:飲酒運転防止対策マニュアル|全日本トラック協会
また、トラックドライバーなどの職業ドライバーでなくとも、教員の場合も懲戒免職や停職になるかもしれません。
たとえば山口県教育委員会では、飲酒運転した教員に対して次のような罰則を設けています。
【懲戒処分の指針(山口県教育委員会)】
- ●飲酒運転で人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた教職員は、「免職」とする。
- ●飲酒運転で交通事故(物損)を起こした教職員は、「免職」とする。
- ●飲酒運転で交通事故(自損)を起こした教職員は、「免職」又は「停職」とする。
- ●飲酒運転をした教職員は、「免職」又は「停職」とする。
- ●相手が車を運転すると知りながら飲酒を勧めたり、飲酒運転と知りながら同乗したりした職員は、「免職」又は「停職」とする。
さらに禁錮以上の刑を受けた場合や懲戒免職処分を受けた場合は、教員免許状が失効し、免許管理者に返納しなければなりません。
もちろん、職業や刑罰の重さにもよりますが、飲酒運転で実刑判決が下されると、会社から解雇される可能性はあります。
また、会社から解雇されなくても職場に居づらくなり、自主退職に追い込まれるかもしれません。
酒気帯び運転の事故で被害者が出た場合は?

酒気帯び運転や酒酔い運転で交通事故を起こし、人身被害が出た場合は「危険運転致死傷罪」の罪に問われます。
- ●アルコールや薬物の影響により正常な運転ができない状態で走行した場合
- ●アルコールや薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じる恐れがある状態で自動車を運転し、その影響で正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた場合
これらの行為は危険運転致死傷罪に該当するため、酒気帯び運転や酒酔い運転よりも重い刑罰が科せられます。
飲酒運転で危険運転致死傷罪を起こした場合の罰則は、次の通りです。
内容 | 罰則 |
アルコールや薬物の影響により正常な運転ができない状態で走行した場合 | 死亡:1年以上20年以下の有期懲役 負傷:15年以下の懲役 |
アルコールや薬物の影響により正常な運転ができないおそれがある状態で走行した場合 | 死亡:15年以下の懲役 負傷:12年以下の懲役 |
また、被害者に怪我を負わせると、数十万円〜数百万円の慰謝料を請求される場合があります。
危険運転致死傷罪については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
危険運転とは?危険運転の種類や罰則、対処法 | SAFETY LIFE MEDIA
飲酒運転は自分や被害者の人生、双方の家族の人生も壊す
飲酒運転は自分や自分の家族の人生はもちろん、被害者が出た場合はその人やご家族の人生を壊します。
飲酒運転で実刑判決が下されると、刑罰のほかに仕事を失うかもしれません。生活がままならなくなり、自分の家族にも大きな迷惑をかけます。
また、現在ではSNS等で事故の動画が出回ることもあり、飲酒運転を起こしたら一気に顔や名前が拡散されるかもしれません。
そして、飲酒運転で人身事故を起こして危険運転致死傷罪に問われると、最大で20年の懲役刑になります。
被害者が怪我をして後遺症が出たり死亡させてしまったりすると、その人の人生を壊すばかりか、相手のご家族にも大きな心の傷を残します。
まとめ
飲酒運転が会社にバレると、最悪の場合は解雇されて職を失うかもしれません。また、被害者が出ると危険運転致死傷罪に問われて、酒酔い運転よりもさらに重い刑罰が下されます。
飲酒運転による事故は、自分はもちろん自分の家族、被害者や被害者のご家族を不幸にします。
車を運転する際は、どんなに少量であっても飲酒するのは避けて、安全運転を心掛けてください。