2023.11.29

危機管理

トラックのドライブレコーダー搭載は義務?メリットや補助制度について解説

    トラック運送事業に使用するドライブレコーダーは、現行法上、必ずしも搭載が義務付けられているわけではありません。ただし、搭載することで多くのメリットがあることも事実です。この記事では、ドライブレコーダーの活用を検討しているトラック運送事業関係者に向け、現在の法律や搭載のメリットについて解説します。

    目次

    トラックにドライブレコーダーの搭載義務はない

    2023年現在の法律では、トラックを含むすべての車両に対してドライブレコーダーの搭載義務はありません。ドライブレコーダーの搭載有無にかかわらず、トラック運送事業を行うことは可能です。
     
    ただし、車載装置の搭載義務は進んでいます。近年では、2022年以降に販売される新車を対象に、「後退時車両直後確認装置(バックカメラ)」の搭載が義務化されました。
     
    バックカメラの搭載義務は、国際的な保安基準に基づいて制定された経緯があります。後退時車両直後確認装置(バックカメラ)とドライブレコーダーは異なる車載装置ですが、今後の法改正や制度動向によっては、ドライブレコーダーの搭載が義務化される可能性も考えられます。

    トラックにドライブレコーダーを搭載するメリット

    車内外の映像や音声の記録、駐車中の録画、安全運転サポートなど、ドライブレコーダーには、車両を運転する際に役立つさまざまな機能が搭載されています。
     
    法的な搭載義務はありませんが、活用することで様々なメリットがあることも事実です。ドライブレコーダーの代表的なメリットをまとめました。

    有事の際に物的証拠として機能する

    車両同士の事故や人身事故など、有事の際には責任の所在が重要になります。事故の内容次第では、当事者や目撃者による証言のみでは信憑性が得られない事例もあるでしょう。
     
    ドライブレコーダーを搭載した車両を使用していれば、事故の瞬間のみならず、前後の状況まで録画・録音が可能です。ドライブレコーダーは、事故を起こしてしまった際の証拠保全手段として有効に機能します。

    交通トラブルの抑止力となる

    現在では、道路交通法を守らない乱暴な運転や、あおり運転などが社会問題になっています。ドライブレコーダー搭載車両を使用することで、自身の運転が録画されている意識が双方の運転者に芽生え、安全運転に対する意識向上が期待できます。

    運送業務の負担軽減と効率化を推進できる

    最新のドライブレコーダーは、リアルタイムで録画・録音した映像や音声をクラウド上に保存・確認が可能です。
     
    トラック運転者の状況を場所に縛られることなく認識できる環境は、従業員の業務負担を軽減し、作業効率の向上に役立ちます。

    事業の経費削減に繋がる

    トラック運送事業には様々な経費が発生しますが、会社や事業所が保有するトラックの燃料消費率(燃費)は、経費の増減に大きく影響する要素です。
     
    燃費の良し悪しには運転方法が大きく関わっており、急発進や急ブレーキ、急ハンドルは、燃費を悪くする原因です。
     
    個人認証機能などを搭載したドライブレコーダーは、運転者固有の運転癖を分析可能です。データに基づき、燃費向上に繋がる運転技術の教育や指導を行うことで、経費削減に繋がります。

    トラックと自家用車のドライブレコーダーの違い

    ドライブレコーダーは、様々なメーカーや企業から製造・販売されています。性能や機能にも違いがあり、使用者には車両の特徴や用途に合わせたドライブレコーダーの選定が求められます。
     
    以下に、トラックと自家用車におけるドライブレコーダーの代表的な違いを記載します。車両に搭載する際の参考にしてください。

    電圧の違い

    車載装置を搭載するためには、車両に使用されているバッテリーの電圧を考慮しなければなりません。トラックに使用されているバッテリーの電圧は「24V」であるのに対し、乗用車に使用されているバッテリーは「12V」です。
     
    車両にドライブレコーダーを搭載する際には、それぞれの電圧に対応したモデルを選択する必要があります。ドライブレコーダーを搭載予定の車両電圧は、事前に確認しておきましょう。

    運行管理システムの有無

    トラックなどの事業用車両には、タコグラフ(運行記録用計器)の搭載が法律で義務付けられています。
     
    法律を考慮して製造・販売されている事業用ドライブレコーダーは、デジタルタコグラフ(運転時の速度や時間、距離などの情報をデータで記録し、送信・保存等が可能な記録機能)を内蔵し、運行管理システムと連動可能なモデルが一般的です。
     
    対して、自家用車に搭載されるドライブレコーダーには、タコグラフの搭載義務はありません。また、運転者の勤怠管理など、不必要な機能も省略されています。
     
    事業用と自家用のドライブレコーダーを比較し、目的に合ったモデルの搭載が重要です。

    トラックのドライブレコーダー補助制度について

    運送事業に使用するドライブレコーダーの購入に関して、以下の2つの組織が導入費用の一部を補助する制度を設けています。

    日本自動車輸送技術協会の補助制度

    国土交通省が認定したドライブレコーダーを対象に、取得に必要な経費の一部を補助する制度です。車載器や事業用機器に関して、1台あたり2万円〜13万円程度、1事業者あたり最大で80万円までの補助金を申請可能です。
     
    国の補助金制度に関しては、令和5年度より国土交通省から委託された日本自動車輸送技術協会(JATA)が担っています。補助制度の内容に大きな変更はありませんが、申請先等が従来とは異なっています。
     
    申請方法や申請条件の具体的詳細は、日本自動車輸送技術協会(JATA)の公式HPを確認してください。
     
    〈参考〉日本自動車輸送技術協会(JATA) 被害者保護増進等事業費補助金

    全日本トラック協会の補助制度

    全日本トラック協会も、ドライブレコーダーの補助制度を設けています。トラック協会の補助制度は、全日本トラック協会と各都道府県のトラック協会に分かれており、補助内容は協会により異なります。
     
    補助内容や申請方法、申請条件の具体的詳細は、全日本トラック協会および各都道府県トラック協会の公式HPを確認してください。
     
    〈参考〉公益社団法人 全日本トラック協会

    まとめ

    トラック運送事業において、ドライブレコーダーの搭載は義務化されていません。ただし、交通事故やトラブル防止、今後の法改正を考慮した場合、搭載を前向きに検討する価値があるといえるでしょう。
    ドライブレコーダーを購入する際には、特徴やメリット、補助制度などの情報を把握し、目的にあったモデルを選択してください。

    この記事の執筆者

    中央自動車工業株式会社

    中央自動車工業株式会社は2002年からアルコール検知器「ソシアック」シリーズの製造販売を行っています。飲酒運転撲滅の実現を目指して、アルコール検知器「ソシアック」シリーズをはじめ自動車に関わる業務の効率化、安全管理のお役に立つ情報を発信しています。

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