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2025.10.30

運送業界

業務後自動点呼(乗務後自動点呼)とは?制度や機器の要件、メリットや注意点を解説

業務後自動点呼(乗務後自動点呼)とは、運転者が乗務を終えた後に、対面ではなく機器を使って自動で点呼を行う仕組みです。
 
アルコール検知器やカメラ付き端末を活用し、健康状態や酒気帯びの有無を記録・保存することで、業務の効率化と安全管理の強化を両立できます。
 
国土交通省が定める要件(道路運送法第38条および国土交通省「乗務後自動点呼実施要領」)を満たした機器の導入が義務付けられており、運行管理者の負担軽減にもつながる点が注目されています。
 
今回の記事では、業務後自動点呼導入の流れや、必要な要件について丁寧に解説します。

目次

自動点呼とは?

自動点呼とは、運転者が乗務を終えた際に、対面ではなく機器を通じて健康状態や飲酒の有無を確認する点呼方法です。
 
国交省が定めた性能要件(静止画・動画記録・通信暗号化等)を満たすアルコール検知器やカメラ付き端末を活用し、運転者が自身で操作することで、点呼記録が自動的に保存されます。
 
運行管理者はリアルタイムで映像や数値を確認でき、異常があれば即座に対応可能です。国土交通省の認定を受けたシステムを使用する必要があり、記録の保存や管理体制も厳格に求められます。
 
これにより、人的ミスの防止や業務効率化が図られています。

業務後自動点呼について

業務後自動点呼は、乗務を終えた運転者が対面せずに機器を使って点呼を行う方法です。
 
主に以下の情報が自動で記録・保存され、運行管理者が遠隔で確認できます。

  • ・アルコール検知器による酒気帯びの有無
  • ・カメラによる本人確認と顔映像の記録
  • ・健康状態や業務中の異常の有無の申告

国土交通省の認定を受けたシステムであることが必須で、記録の保存期間や管理体制にも厳しい基準が設けられています。

業務後自動点呼実施要領の概要

こちらでは、国土交通省の資料を元に、業務後自動点呼実施要領の概要について解説していきます。


















出典:乗務後自動点呼の要件とりまとめについて|国土交通省

業務後自動点呼のメリット

業務後自動点呼は、運転者が端末を操作するだけで点呼が完了するため、業務の効率化に大きく貢献します。
 
顔認証やアルコール検査の結果が自動で記録されることで、確認漏れや記録ミスを防ぎ、点呼の確実性が高まります。
 
また、運行管理者は複数拠点の点呼を遠隔で一括管理できるため、夜間や休日の対応も柔軟になり、人的負担が軽減されます。
 
これにより、安全管理と業務効率の両立が可能になります。

業務後自動点呼の注意点

業務後自動点呼を導入する際は、初期費用や運用体制に注意が必要です。専用機器の購入や設置、国土交通省の認定取得には一定のコストがかかります。
 
また、点呼記録の保存・管理体制を整える必要があります。そのため、運行管理者がシステムの操作や確認業務に慣れるまで、時間を要するケースも考えられるでしょう。
 
さらに、機器の故障や通信トラブル時の対応手順も事前に確立しておくことが求められます。

業務後自動点呼・導入の流れ

業務後自動点呼を導入したい場合は、次の手順で行います。

  1. ①:業務後自動点呼を導入する場所の決定
  2. ②:自動点呼認定機器の中から機種を決める
  3. ③:運輸支局に届け出をする

①:業務後自動点呼を導入する場所の決定

業務後自動点呼を導入する際は、機器の設置場所を慎重に選ぶ必要があります。
 
運転者が乗務終了後に必ず立ち寄る場所であること、静かで映像や音声が正確に記録できる環境であることが重要です。
 
事務所内や車庫の出入口付近など、動線を考慮した配置が求められます。

②:自動点呼認定機器の中から機種を決める

業務後自動点呼を導入するには、国土交通省が認定した機器の中から自社の運用に合った機種を選定する必要があります。
 
機種を選ぶ際は、設置スペースや操作性、記録の保存方法、遠隔確認の対応可否などを比較検討し、運行管理体制に適した機種を選ぶのがポイントです。
 
令和7年10月時点で認定を受けている自動点呼機器については、国土交通省の資料を参考にしてください。
出典:認定を受けた業務後自動点呼機器一覧|国土交通省

③:運輸支局に届け出をする

業務後自動点呼を実施するには、国土交通省が定める基準を満たした機器を導入したうえで、所管の運輸支局へ事前に届け出が必要です。営業所単位での届け出が必要であり、同一事業所者内でも営業所ごとに審査が行われます。
 
申請には、使用機器の仕様書や運行管理体制の説明資料などを添付し、審査を受ける流れとなります。認定を受けることで、正式に自動点呼の運用が可能になります。

まとめ

業務後自動点呼(乗務後自動点呼)は、点呼業務の自動化により、運転者の健康確認や酒気帯びの有無を確実に記録できる仕組みです。
 
国土交通省の要件を満たした機器を導入することで、業務の効率化と安全管理の向上が実現します。

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