2025.04.30

運送業界

安全運転管理者の届出はどこに出す?必要書類、届出書の記入例と合わせて解説

乗車定員が11人以上の自動車1台、その他の自動車 5台を使用する事業所では、道路交通法第74条の3により、安全運転管理者を選任しなければいけません。
 
そして、安全運転管理者を選任後、所轄の警察署へ届出を行うことが義務付けられています。今回の記事では、安全運転管理者の届出に関する基準や手続きの流れ、必要な書類について詳しく解説していきます。
 
適切な管理体制を整え、安全で円滑な業務運営を実現するために、ぜひ参考にしてください。

目次

安全運転管理者とは?

安全運転管理者とは、業務で自家用自動車(白ナンバー)を使用する際、運転手に対して交通事故の防止や安全運転の意識向上を図る役割を担います。
 
具体的には、運行計画の作成や安全確保の措置、運転者の健康状態や飲酒の有無の確認など、安全運転指導などを行います。
 
次の条件を満たす企業や事務所は、安全運転管理者を選任する必要があります。

  • ・乗車定員が11人以上の自動車1台
  • ・その他の自動車 5台
※大型自動二輪車または普通自動車は0.5台として計算
※台数が20台以上40台未満の場合は副安全運転管理者を1人、40台以上の場合は20台を増すごとに1人の副安全運転管理者の選任が必要

出典:安全運転管理者制度の概要|警察庁
 
安全運転管理者は選任した日から15日以内に、事業所のある都道府県の公安委員会に届出を提出しなければいけません。

安全運転管理者の選任基準

安全運転管理者には、道路交通法第74条の3 により選任基準が設けられています。安全運転管理者を選任する際の、資格要件は次の通りです。

  • ・年齢:20歳以上
  • ・実務経験:自動車の運転管理に関して2年以上の実務経験を有すること
※ただし、副安全運転管理者を配置する場合、安全運転管理者の年齢要件は30歳以上となります。
 
また、以下の欠格事項に該当する場合、安全運転管理者として選任することはできません。
 
  • ・過去2年以内に都道府県公安委員会から安全運転管理者等の解任命令を受けた者
  • ・重大な交通違反を行い、2年が経過していない者
(酒酔い・酒気帯び運転、麻薬等運転、妨害運転、無免許運転、救護義務違反、飲酒運転に関し車両等を提供する行為など)
  • ・重大な交通違反を下命・容認してから2年経過していない者
(酒酔い・酒気帯び運転、麻薬等運転、過労運転、無免許運転、大型自動車等の無資格運転、最高速度違反など)

出典:安全運転管理者制度の概要|警察庁
 
なお、安全運転管理者の資格要件に規定はありますが、選任にあたっての試験などはありません。

安全運転管理者の届出はどこに提出する?

安全運転管理者を選任後、15日以内に事業所のある都道府県の公安委員会に届出を提出することが、道路交通法第74条の3 により定められています。
 
安全運転管理者の届出は警察署の窓口に直接提出したり、郵送やオンラインで提出したりする方法があります。
 
【安全運転管理者の届出】

  • ・管轄の警察署(交通課)の窓口に提出
  • ・郵送で提出
  • ・オンラインで提出
 
ちなみに、届出の提出方法は地域によって異なります。そのため、安全運転管理者の届出を提出する際は、申請前に管轄の都道府県警察のホームページで確認してください。
 
オンラインの場合は、警察行政手続サイトから申請できます。次の都道府県では警察行政手続サイトとは別に、オンライン申請用のサイトが用意されています。
 
  • ・青森県
  • ・山形県
  • ・埼玉県
  • ・石川県
  • ・岡山県
  • ・山口県
  • ・福岡県
 
オンラインで申請する際は、ぜひ参考にしてください。

安全運転管理者を届出する際の必要書類

安全運転管理者の届出には、次の4つの書類が必要です。

  • ・安全運転管理者に関する届出書
  • ・運転管理経歴証明書
  • ・運転記録証明書
  • ・公的身分証明書
 
ちなみに、運転管理経歴が2年未満の場合は「安全運転管理者資格認定申請書」の提出が必要です。

安全運転管理者に関する届出書

運転管理経歴証明書は、都道府県ごとにフォーマットが異なります。そのため事務所の管轄内にある、都道府県警察のホームページで確認してください。
 
下の画像は、神奈川県の「安全運転管理者に関する届出書」です。
 
【記入例:安全運転管理者に関する届出書(神奈川県)】

運転管理経歴証明書

運転管理経歴証明書も、都道府県ごとでフォーマットが異なります。こちらも事務所の管轄内にある、都道府県警察のホームページで確認してください。
 
下の画像は、神奈川県の「運転管理経歴証明書」です。
 
【記入例:運転管理経歴証明書(神奈川県)】

運転記録証明書

運転経歴に関する証明書は、警察署や交番、自動車安全運転センター事務所で取得できます。運転記録証明書は、3年間または5年間のもので、届出前1ヶ月以内に発行されたものを用意してください。
 
申請用紙に必要事項を記入したら、交付手数料670円を支払って申し込みます。証明書は郵便、またはセンター事務所で受け取ります。なお、インターネットからの申し込みも可能です。
 
申請方法と見本については、自動車安全運転センターのホームページから確認できます。

公的身分証明書

いわゆる運転免許証やマイナンバーカード、住民用の写しなどです。

安全運転管理者資格認定申請書(管理経験が2年未満)

安全運転管理者の選任基準として、「自動車の運転管理に関して2年以上の実務経験を有すること」があります。
 
安全運転管理者としての実務経験が2年未満の場合は、「安全運転管理者資格認定申請書」の提出が必要です。
 
ただし、運転経験が3年以上であれば運転管理経歴が2年未満でも、「資格認定申請書」を「運転免許証の写し」に代えて届出することができます。
 
下の画像は、神奈川県の「安全運転管理者資格認定申請書」です。
 
【記入例:安全運転管理者資格認定申請書(神奈川県)】

安全運転管理者の届出をしないとどうなる?

安全運転管理者を選任後、届出をしないと「5万円以下の罰金」が科せられることが、道路交通法第109条の2 により定められています。
 
ちなみに、安全運転管理者を選任する必要があるのに、選任をしなかった場合は「50万円以下の罰金」です。
 
安全運転管理者の選任する条件を満たしている事業所は、必ず届出を忘れないようにしてください。

まとめ

今回は、安全運転管理者の届出について解説しました。今回紹介した届出方法、必要書類はあくまで一例です。申請書類や細かい記入事項については、各都道府県で異なります。
 
安全運転管理者を選任したら、必ず事務所の管轄内にある都道府県警察のホームページから、安全運転管理者の届出について確認してください。

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