2022.10.12

飲酒対策

運送事業の安全指針の証「Gマーク」!活用方法と飲酒運転予防効果

    目次

    有償で貨物を運送する貨物自動車運送事業には、事業における安全性を担保するための認定制度が存在します。

    この記事では、国土交通省が運送事業者及び事業所に対して推進する、安全認定制度の内容と効果について解説します。

    Gマークとは

    国内には多くの貨物自動車運送事業所が存在します。貨物事業は重大な事故のリスクが付きまとうことから、高い安全性を実現できる事業所の存在が必要不可欠です。


    国土交通省は、安全性の高い事業所を可視化し、利用者が安心して選択できる等を目的として「安全性優良事業所認定制度(Gマーク制度)」を発足しました。

     
    安全性優良事業所認定制度(以下、Gマーク制度)は、国が指定した機関である全日本トラック協会の安全性評価委員会(国土交通省職員及びトラック協会担当役員を中心として構成された組織)によって認定されます。

     
    安全認定を得た事業所に、証として与えられるシンボルマークが「Gマーク」です。

    Gマークを取得した事業所は一般公表され、誰でも手軽にHP等から確認することが可能です。

     
    平成15年から実施されているGマーク制度の認定事業所の数は年々増加しており、令和3年には全事業所の約31%、全事業用トラックの49%にのぼっています。

     
    Gマーク取得事業所は、未取得の事業所に比べ事故の割合が低く、関係者と利用者双方にとって安全な事業所であるといえるでしょう。

    Gマークの認定基準

    Gマーク認定を受けるためには、予め決められた評価基準をクリアする必要があります。

     

    評価内容は3テーマ38項目からなっており、それぞれに基準となる点数が設けられています。すべての認定要件を満たすことで、Gマークを取得することが可能です。

    具体的な認定項目

    • ①「安全性に対する法令の遵守状況」(配点40点、基準点数32点)・・・指導員による事業所の巡回結果や、運輸安全マネジメントの取組状況などを評価する項目
    • ②「事故や違反の状況」(配点40点、基準点数21点)・・・過去に起こした重大な事故や違反の履歴を評価する項目
    • ③「安全性に対する取組の積極性」(配点21点、基準点数12点)・・・安全対策会議の実施状況及び、運転者への安全教育の取組などを評価する項目

    具体的な認定要件

    • 上述の①〜③の評価点数の合計点が80点以上であること​
    • 上述の①〜③の評価項目における点数がすべて基準点数以上であること
    • 法律に基づいた認定申請及び届出、報告事項が滞りなく行われていること
    • 社会保険等の加入が適正になされていること
     

    〈参考〉国土交通省「Gマーク制度」

    Gマークの申請方法

    Gマークの申請には、事前に特定の要件を満たさなければなりません。

    申請資格要件

    • ①事業開始後(運輸開始後)3年が経過していること
    • ②営業所に配置する事業用自動車の数が5両以上であること
    • ③不正な手段により申請の却下や評価の取り消しを受けた過去のある事業所は、それらに該当する申請年度後2年を経過していること
    • ④認定証やマークの不正により是正勧告を受けた事業所は、是正の履行が確認され、そこから3年を経過していること

    具体的な申請手順

    資格要件を満たした事業所であれば、以下の手順に沿って申請を行うことができます。

     

    ①申請書の取得

    Gマークの申請には、専用の申請書類が必要です。申請書は以下の方法で頒布されています。

     
    • インターネット・・・(全日本トラック協会公式HPの、申請書作成システムにより作成)

    • 紙書類・・・(申請事業所が所在する都道府県のトラック協会で入手する)

     

    ②申請書の提出

    紙書類による申請では、各都道府県のトラック協会受付窓口へ必要書類を持参します。特定の条件下(地理的条件など)においては、郵送申請も認められています。

     

    (※申請には受付期間が設けられています。詳細は全日本トラック協会HPや各都道府県のトラック協会申請事業所へお問い合わせください。)

     

    ③結果の公表

    申請が受理された後には、安全性評価委員会による評価が行われます。評価結果は年末に各申請事業所に対して、郵送で通知されます。

     

    〈参考〉公益社団法人「全日本トラック協会」Gマーク申請案内

    Gマークによる飲酒運転の予防効果について

    貨物自動車運送事業における重大な問題の一つに、飲酒運転が存在します。

     

    Gマーク制度は以下の観点から、運送事業に従事する運転者の飲酒運転を予防する効果を期待することができます。

     

    厳格な評価基準による運転者への意識づけ

    安全性評価委員会が実施する評価内容は多岐に及び、中項目や小項目に細分化された評価内容すべてに点数が設けられています。

     

    中には事故の実績や行政処分の実績など、飲酒運転に関連する項目も存在します。

     

    Gマークを取得するためには、評価項目すべてに対する高い意識づけが求められ、それは運転者も例外ではありません。Gマーク認定を受けることで、飲酒運転に対する予防意識は必然的に向上することになります。

     

    定期的な更新に必要な再評価

    Gマークには有効期限が存在します。新規事業所は2年間、それ以降は2〜4年の間に更新が必要です。

     

    更新は自動的に行われるものではなく、新規申請時と同様に評価項目に準じた再評価を受けなければなりません。

     

    Gマーク認定を継続している事業所は、認定基準を遵守しています。Gマーク制度に対する高い意識が、飲酒運転に代表される法令違反予防に効果を発揮するのです。

     

    現実的な実績

    Gマーク制度の事故予防効果は、具体的な数字にも現れています。

     

    事故発生件数の低下

    Gマーク取得事業所は、未取得事業所に比べ事故の割合が低いという実績が証明されています。

     

    国土交通省自動車局貨物課が発表している資料には、Gマーク取得事業所は未取得事業所に比べ、事故の割合が半分以下という結果を確認することができます。

     

    「2019年中における車両1万台あたり事故発生件数」

     

    重傷事故以上の事故件数

    死亡事故件数

    Gマーク取得事業所

    2.1件

    1.0件

    Gマーク未取得事業所

    5.9件

    2.8件

    まとめ

    国土交通省は自動車運送事業を取り巻く状況を踏まえ、安全性の向上を目的とした様々な対策を検討・実施しています。

     

    Gマーク制度は、利用者と事業者の双方にとってより良い環境整備を図るための制度です。

     

    自動車運送事業の信頼及び、飲酒運転に代表される法令違反予防のためにも、Gマークの制度の深い理解が必要不可欠です。

    この記事の執筆者

    中央自動車工業株式会社

    中央自動車工業株式会社は2002年からアルコール検知器「ソシアック」シリーズの製造販売を行っています。飲酒運転撲滅の実現を目指して、アルコール検知器「ソシアック」シリーズをはじめ自動車に関わる業務の効率化、安全管理のお役に立つ情報を発信しています。

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