2023.11.29

危機管理

運送・宅配業界の配送トラブルって?具体的事例や対処方法・防止策を解説

運送業界における宅配事業では、少なからず配送トラブルが発生します。配送トラブルが起こる原因や事例には特定のパターンがあり、対処方法や防止策を講じることで未然に防止可能です。この記事では、これから宅配事業や配送業を始めたいと考えている方へ向け、配送トラブルの原因や具体例、対処方法などについて解説します。

目次

配送トラブルが起こる原因

宅配事業における配送トラブルの多くは、宅配業者の人的ミスによって起こります。業務上必要な確認や連絡を怠ったり、作業のマンネリ化による注意力の低下だったりが原因です。また、自分自身では確認しているつもりでも、誤認識している場合なども考えられます。
 
すべての配送トラブルが配送業者側の責任と言い切ることはできませんが、主たる原因は確認不足や認識間違いといった基本的な過失といえるでしょう。

配送トラブルの主な事例

主に過失によって起こる配送トラブル。発生しやすい具体的な事例をまとめました。

商品の破損

代表的な配送トラブルの一つです。原因は様々ですが、出荷作業中や運搬中の扱い(落下など)により、商品本体や梱包に使用している外箱が破損しています。
 
ガラス製品などの割れ物や精密機器など、比較的破損しやすい商品に多い配送トラブルです。

誤配送

配送先を間違えてしまう配送トラブルです。宅配業者が起こしてしまうトラブル原因としては、「住所の確認ミス」や「配送先の勘違い」などが考えられます。

配送遅延

日時指定された商品を、指定の時間までに配送できないトラブルです。具体的な理由には、「配送ルートが最適化されていない」ことや「配送情報の確認ミス」などが挙げられます。

紛失

「不在票を記入する際に荷物から一時的に目を離し、配送先にうっかり置き忘れてしまった」など、うっかりミスによって起こる配送トラブルです。配送スケジュールの時間的余裕がない場合などに起こりやすく、その場では紛失した事実に気がつかない事例もあります。

道路交通法違反

配送中のスピード違反や交通事故、駐車違反など、道路交通法違反によって起こる配送トラブルです。事故や違反は、商品の破損や配送遅延など、様々な配送トラブルを招きます。

配送トラブルによって発生する損失やリスク

配送トラブルは単に業務上のミスだけではなく、会社や個人に様々な弊害を生みます。代表的な損失は以下の通りです。

配送コストの増加

配送トラブルの多くは、無駄なコストを生みます。再度の配送によるガソリン代、誤配送による返品手数料、破損・紛失した商品があれば損害賠償費用など、様々な経費が発生します。
 
1度や2度のトラブルでは微々たるコストでも、定期的に発生すれば経費を圧迫します。相応の利益を得るためには、配送トラブル防止に努めなければなりません。

個人情報の流出

誤配送や商品の紛失によって、関係のない第三者に顧客情報が流出してしまう可能性があります。
 
また、配送トラブルによって流出した個人情報が悪用されてしまえば、連鎖的にさらなるトラブルを生んでしまうかもしれません。

企業の信頼低下

度重なる配送トラブルは、企業や会社、個人事業主などの配送主に対する信頼を損ねます。何度も配送トラブルが発生した宅配業者は、依頼主から敬遠されます。
 
依頼主からの信頼低下は顧客離れを助長し、利益を圧迫します。配送トラブルにより、事業を継続できない状況に追い込まれてしまう可能性もゼロではありません。

配送トラブルが起こった際の対処方法

万が一、配送トラブルが起きてしまった際には、依頼主に対する対応が求められます。適切な事後対応方法をまとめました。

依頼主に対する迅速な謝罪

配送トラブルが発覚した際には、依頼主に対して迅速な謝罪が必要です。謝罪の際には、トラブルの原因と対策を明確に伝え、今後の対応を具体的に説明します。

損害の補償対応

商品の破損や紛失によって商品に対する弁済等が必要な場合には、補償対応が必要です。補償内容は、事前に社内規程や利用規約として定めておきましょう。
 
想定される補償対応を想定し規程を定めれば、配送トラブルが起こった際に迅速な対応が可能になります。
 
既存の各配送業者や宅配業者は、補償対応や弁済に関して社内の規定を設けています。これから起業する方や個人事業主として配送業に従事する方は、参考にしてみると良いでしょう。

配送トラブルをなくすための防止策

配送トラブルが起こった際の対応は重要ですが、トラブルを起こさないための施策も大切です。配送トラブルを防止するための施策として、効果的な施策をご紹介します。

作業フローマニュアルの徹底

複数の従業員を抱えている企業などの場合には、具体的な業務内容を示す作業フローの確立が重要です。一つひとつの作業を明確化し、マニュアルとして落とし込めれば、従業員の作業ミスを軽減できます。

管理システムのデジタル化

業務に関わる大半の内容は、デジタルシステムを用いて管理できます。在庫管理ツールや配車管理システムなど、デジタル化を積極的に導入しましょう。デジタルシステムにより情報をデータ化すれば、配送トラブルを防止や業務効率化を推進可能です。

適切な配送スケジュールの維持

過酷な配送スケジュールや残業の連続は、配送スタッフのモチベーションやパフォーマンスの低下に繋がります。労働基準法に基づき、適切な勤務計画および労働環境を整備しなければなりません。

運送保険を活用する

配送トラブルが起こってしまった際の金銭的補償には、運送保険に加入しておく方法が有効です。運送保険とは、依頼主の荷物を紛失・破損・盗難などが発生した場合の補償制度です。依頼主に対する弁済費用を補償します。
 
貨物保険や運送賠償責任保険などが運送保険に該当し、契約は法人・個人どちらでも可能です。月々少額から加入できるため、就業の際には加入しておくと良いでしょう。

まとめ

運送・宅配業界には、様々な配送トラブルが存在します。トラブルの多くは、企業の業務システムの改善や従業員の意識改革によって軽減可能です。これから運送・宅配業界への就労を検討している方は、配送トラブルの原因や内容を理解し、高い意識を持って業務に臨みましょう。

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