2025.05.31
運送業界
4ナンバーとは?車両の条件やメリット・デメリットを解説

「4ナンバー」とは、貨物車に分類される車両に付けられるナンバープレートの種類の1つです。乗用車とは異なり、荷物の運搬を主目的とした仕様となっており、税金や車検のルールも異なります。
今回の記事では、4ナンバーの該当条件やメリット・デメリット、 3ナンバーや5ナンバーとの違いについて解説していきます。
目次
4ナンバーとは?
4ナンバーとは、貨物の輸送を目的とする小型自動車に付けられる分類番号です。ナンバープレートの地域名の横に表示される3桁の番号の先頭が「4」であることで判別できます。
なお、「軽貨物車(いわゆる軽バンなど)」は実際には「4ナンバー」ではなく、「軽」ナンバーに分類されるため、便宜上4ナンバーと呼ばれることがありますが、形式は異なります。
ナンバープレートの分類番号と、自動車の種別については次の表を参考にしてください。
分類番号 | 自動車の種類 |
1ナンバー (100番台) |
貨物の輸送に使われる普通自動車など (大型トラックなど ) |
2ナンバー (200番台) |
乗車定員11人以上の人の輸送に使われる普通自動車 (バス) |
3ナンバー (300番台) |
乗車定員10人以下の人の輸送に使われる普通自動車 |
4ナンバー (400番台) |
貨物の輸送に使われる小型自動車 |
5ナンバー (500番台) |
人の輸送に使われる小型自動車 |
6ナンバー (600番台) |
貨物の輸送に使われる小型自動車 (4ナンバーが埋まった場合に使用される) |
7ナンバー (700番台) |
人の輸送に使われる小型自動車 (5ナンバーが埋まった場合に使用される) |
8ナンバー (800番台) |
特殊な使い方をする小型自動車・普通自動車 |
9ナンバー (900番台) |
大型の特殊自動車(建設機械を除く) |
0ナンバー (000番台) |
大型の特殊自動車のうち建設機械 |
以上のように、分類番号の最初の数字で車種が分類されています。荷物を輸送する小型自動車、軽自動車が4ナンバーに該当します。
4ナンバーに分類される車両の条件
4ナンバーは、荷物の運搬を主目的とする車両に適用される分類番号です。車両のサイズや排気量、荷物の積載スペースなどの条件を満たす必要があります。
車両のサイズや排気量の条件
4ナンバーに分類される、車両のサイズや排気量の条件は次の通りです。
【小型自動車】
- ・長さ:4.7m以下
- ・幅:1.7m以下
- ・高さ:2.0m以下
- ・排気量:2,000cc以下
【軽自動車】
- ・長さ:3.4m以下
- ・幅:1.48m以下
- ・高さ:2.0m以下
- ・排気量:660cc以下
荷物の積載スペースの条件
4ナンバーに分類される、荷物の積載スペースの条件は次の通りです。
- ・荷物を載せるスペースの床面積が1平方メートル以上あること
- ・座席部分より荷物を載せるスペースが広いこと
- ・乗員の重量が荷物の積載可能重量よりも軽いこと
- ・荷室開口部が縦80cm、横80cm以上あること
- ・荷物を載せるスペースと人が乗る席の間に壁や保護仕切りがあること
4ナンバーと3ナンバーと5ナンバーの違い
3ナンバーとは、普通乗用車に付けられるナンバーのことです。排気量が大きいスポーツカーや車体の大きいミニバンなどは、3ナンバー車に分類されます。
4ナンバーと5ナンバーの違いですが、荷物を輸送する4ナンバーに対して、5ナンバーは人を輸送するのが目的です。
4ナンバーは、荷物の運搬を主目的とする車両に適用される番号です。これに対して5ナンバーは、乗員の移動を目的とした小型乗用車に付けられます。
4ナンバーのメリット
4ナンバーのメリットは、4ナンバーは自家用乗用車と比べると、自動車税や軽自動車税が安いことです。
3ナンバーや5ナンバーといった乗用車は、「排気量」によって税額が決まります。それに対して、4ナンバーは「積載量」で税額が決まります。
自家用乗用車の場合、最も安い自動車税は「25,000円」からですが、4ナンバーの場合は「8,000円」からと、17,000円も安いです。軽自動車の場合も、自家用乗用車は「10,800円」ですが、4ナンバーの場合は「5,000円」と、5,800円も安いです。
4ナンバーの自動車税や軽自動車税の金額を、次の表にまとめたので参考にしてください。
【小型貨物自動車(最大乗車定員3人以下)の自動車税】
最大積載量 | 税額 |
~1t | 8,000円 |
1t超~2t | 11,500円 |
2t超~3t | 16,000円 |
3t超~4t | 20,500円 |
4t超~5t | 25,500円 |
5t超~6t | 30,000円 |
6t超~7t | 35,000円 |
7t超~8t | 40,500円 |
軽自動車 | 5,000円 |
ちなみに、最大乗車定員が4人以上の場合は上記の金額のほかに、次の金額が加算されます。
総排気量 | 加算額 |
~1L | 8,000円 |
1L超~1.5L | 11,500円 |
1.5L超~ | 16,000円 |
4ナンバーのデメリット
4ナンバーのデメリットは、車検期間が短いことです。軽自動車以外の4ナンバーの小型貨物車は、初回が2年、2回目以降は1年ごとに車検を受けなければいけません。
初回 | 2回目以降 | |
車両総重量8t未満の貨物自動車 (小型貨物車) |
2年 | 1年 |
軽貨物 | 2年 | 2年 |
自家用乗用自動車 | 3年 | 2年 |
まとめ
4ナンバーとは、貨物の輸送に使われる小型自動車に付けられるナンバープレートの種類の1つです。
自動車税や軽自動車税が、乗用自動車よりも安いというメリットがあります。その一方で車検を受ける期間が短く、小型貨物車の場合、2回目以降の車検は1年に1回受けないといけません。乗用車との違いや、車両選びにおける条件をしっかり理解し、自身の用途に合ったナンバー区分を選ぶことが重要です。