2023.06.09

運送業界

4ナンバー車検を解説!費用や期間、メリット・デメリット完全ガイド

国土交通省が定める自動車検査登録制度(車検)は、「種別」「用途」「形状」により詳細が異なります。

自動車の所有者は、区分に従った検査を受けなければなりません。車両により個別の条件が定義されている車検制度。

この記事では、「4ナンバー」と呼ばれる車両に的を絞り、車検内容を解説します。

目次

4ナンバー車両と車検の基礎知識

一般的な車検の概要と、4ナンバー車両の定義をまとめました。

車検の概要

車検とは、車両における保安基準遵守の有無を確認する検査です。
 
車検は法律で定められている義務であり、拒否することはできません。決められた期間内に、所定の場所で行う必要があります。
 
国はナンバーごとに個別の車検内容(保安基準)を定めており、必要な費用や有効期間が異なります。必要書類も様々ですが、以下の3点は必須です。

  • ●車検証(自動車検査証)
  • ●自賠責保険証明書(自動車損害賠償責任保険証明書)
  • ●自動車税納税証明書(必要の有無は各都道府県により異なる)

4ナンバー車両の定義

4ナンバー車両とは「小型貨物自動車」を指します。車両には用途に合わせて特定のナンバーが割り振られており、4から始まるナンバー車両は小型貨物自動車と定義されています。

4ナンバー車両は、貨物(荷物など)を運搬するための車両です。小型貨物自動車には、普通車や軽自動車、軽トラなどが該当します。

国土交通省から交付されるナンバーは、種別や用途、形状によって10種に分類されています。

それぞれのナンバーには取得条件があり、条件を満たした車両にのみ指定のナンバーが与えられます。

4ナンバー車両の具体的な条件

  • ●全長4.7m以下
  • ●全幅1.7m以下
  • ●全高2.0m以下
  • ●総排気量2,000cc以下
  • ●座席専有面積よりも貨物専有面積が広い
  • ●貨物専用の床面積が1㎡以上
  • ●貨物の運び出し口の幅が縦横80cm以上(軽自動車は縦60cm、横80cm以上)
  • ●定員まで乗車した時の重量より、荷物全体の重量が重いこと
  • ●運転席と貨物スペースに仕切りがあること
  • ●貨物スペースの座席は脱着式であり、貨物の積載に支障がないこと

4ナンバー車両に必要な車検費用

車検は有料です。然るべき場所で車検を受ける際には、法定費用(3種)と基本費用と呼ばれる費用が必要になります。

法定費用:自動車重量税

自動車の重量に対して課税される費用です。車両の重量に比例し、課税額は増加します。

法定費用:自賠責保険料

自賠責保険とは、すべての車両の所有者に対し加入が義務付けられている強制保険です。

自賠責保険は車検の際にまとめて支払うことになり、次回の車検時まで自動的に継続されます。

法定費用:検査印紙代

車検手続きに必要になる各種印紙費用です。4ナンバー車両の車検では、合計2,100円の検査印紙代金が請求されます。内訳は以下の通りです。

車検基本料(整備・部品料金)

4ナンバー車検には、上述した3種類の法定費用以外に基本料金が必要です。車検基本料とは、車検を依頼する業者に支払う手数料です。
 
具体的な料金は、依頼する業者により異なります。
 
4ナンバー車両の車検基本料金の相場

  • ●ディーラー(正規販売店):4万円〜5万円程度
  • ●車検専門業者:2万〜4万程度
  • ●民間整備工場:2万〜3万程度

4ナンバー車両の車検有効期間

車検には有効期間が設けられており、決められた期限内に手続きを行う必要があります。
4ナンバー車両では、該当車種により有効期間が異なる点に注意が必要です。

4ナンバー車両で車検を受けるメリット・デメリット

車両を維持する上で必要になる維持費(車検費用も含む)は分類ナンバーにより異なります。それぞれのナンバー車両にはメリットとデメリットがあり、4ナンバー車両も例外ではありません。

自動車重量税や自動車税が安くなるメリットがある

車両の重さにより税額が決定する自動車重量税。4ナンバー車両は、他のナンバー車両(車体の重さが同程度の場合)と比較し、自動車重量税が安く設定されています。

また、車両の所有者に対して課せられる自動車税にもメリットがあります。4ナンバー車両の自動車税は、最大積載量によって決まります。対して、他ナンバー車両の自動車税は、排気量が基準です。

排気量や車体の大きさに差のない車両であれば、4ナンバーを選択することで年間の税額を安く抑えることができます。

車検の有効期間が短いのがデメリット

4ナンバー車両最大のデメリットは、車検の間隔が短いことです。4ナンバーを取得している普通車であれば、2回目以降の車検は毎年行わなければなりません。

対して、他ナンバー車両(3ナンバーや5ナンバーなど)の多くは、初回の車検から2回目までの間隔が3年、以降も2年の間隔が設けられています。4ナンバー車両では、他ナンバー車両に比べ、車検の手間や費用負担が増加してしまう点がデメリットといえるでしょう。

4ナンバー軽自動車と5ナンバー軽自動車の車検内容の違い

4ナンバー車両のメリット・デメリットを解説してきました。ここでは、それぞれ異なるナンバー(4ナンバーと5ナンバー)を取得している軽自動車を事例として、車検内容を比較してみたいと思います。

貨物運搬を目的とした軽自動車(4ナンバー)は「小型貨物自動車」、貨物の運搬を目的としない乗用の軽自動車(5ナンバー)は「小型乗用自動車」として5ナンバーに区分されています。

①自動車重量税が異なる

4ナンバーの軽自動車における自動車重量税は、自家用車両3,300円、事業用2,600円(共に1t以下の場合)です。

対して、5ナンバーの乗用軽自動車の自動車重量税は一律で3,300円(1年あたり)と規定されています。

ただし、4ナンバーの軽自動車は、車両の重量に比例して自動車重量税が増加することに留意が必要です。

②自賠責保険費用が異なる

自賠責保険は、自動車重量税に比べて金額に開きがあります。

4ナンバー車両における自賠責保険額は、25ヶ月で23,870円(自家用)、31,870円(事業用)ですが、5ナンバーの乗用軽自動車の場合には、25ヶ月20,310円となります。

③車検期間が異なる

大きな差はありませんが、4ナンバーの軽貨物者の車検は、新車購入時から次回の車検までの期間が2年です。その後も2年ごとに車検が義務付けられています。

5ナンバーの乗用軽自動車は、新車購入時から次回の車検までの期間が3年です。その後は4ナンバーの軽自動車と同様に、2年の期間が設けられています。

まとめ

この記事では、4ナンバー車両における車検内容について解説しました。車検の費用や有効期間は、分類ナンバーによって異なります。

また、選択するナンバーにより、メリットやデメリットがあることに留意が必要です。4ナンバー車両の所有者は、車検を含めた具体的特徴を正しく理解しておきましょう。

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