2025.06.30
運送業界
安全運転管理者の変更|手続き方法や必要書類について解説

一定台数以上の自家用車を業務で使用する企業や事業所において、安全運転管理者の役割は重要です。(道路交通法施行規則第9条の8および第9条の9)
交通安全の確保と事故防止に向けた取り組みを推進するため、状況に応じて管理者の変更が必要となる場合があります。その際には、新たな管理者の適切な選任と、業務の確実な引き継ぎを通じて、交通安全体制の継続的な維持と強化が求められます。
今回の記事では、安全運転管理者の変更が必要になるケース、手続き方法や必要書類について解説していきます。
目次
安全運転管理者とは?
安全運転管理者は、一定台数以上の自家用車を業務で使用する事業所において、交通事故防止を担う役割を持つ責任者です。
主に、運転者の安全教育や運行計画の作成、健康状態の確認などを行います。
乗車定員11人以上の車両を1台以上、またはその他の車両を5台以上使用する事業所は、安全運転管理者を選任する義務があります。
選任後は公安委員会へ届出を行い、定期的な講習を受講しなければいけません。
安全運転管理者については、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:届出、講習、副安全運転管理者など概要を簡潔に解説 | SAFETY LIFE MEDIA
安全運転管理者を変更するケース
安全運転管理者を変更するケースは、安全運転管理者を交代・解任する場合、届出内容に変更が生じた場合の2パターンです。
安全運転管理者の交代や解任
安全運転管理者の交代や解任は、人事異動や退職、または選任義務の対象から外れた場合に必要となります。
交代する際は、前任者の解任後に後任者を選任し、15日以内に警察署へ届出を行わなければいけません。(道路交通法施行規則第9条の12)
また、安全運転管理者が業務を適切に遂行していないと判断された場合、公安委員会から解任命令が出されることもあります。
届出内容に変更が生じた
安全運転管理者の届出内容に変更が生じた場合も同様に、15日以内に警察署へ変更の届出を行う必要があります。
変更対象となるのは、事業者の名称や住所、安全運転管理者の氏名、自動車台数、運転者数などです。
これは主に、廃業や車両の減少で自動車台数が規定数以下になった場合、もしくは事業所が移転した場合に届出が必要になります。
事業所が移転した場合は、新所在地を管轄する警察署で手続きを行ってください。
安全運転管理者の変更手続き方法

安全運転管理者の変更手続きをする際には、警察署の交通課窓口へ行くか、必要書類を郵送してください。また、一部を除く地域では、オンラインからでも申請できます。
警察署の交通課窓口へ行く
警察署の交通課窓口での安全運転管理者の変更手続きは、直接担当者と相談しながら進められるため、書類の不備を防ぎやすい方法です。
窓口では、変更届出書や必要書類を提出し、担当者が内容を確認します。代理人が手続きを行う場合は委任状が必要になる場合があります。
受付時間は平日の日中が一般的ですが、事前に管轄の警察署へ確認すると安心です。
郵送する
安全運転管理者の変更手続きを郵送で行う場合、必要書類を準備し、管轄の警察署へ送付します。
書類には変更届出書のほか、変更内容を証明できる書類が含まれることが一般的です。ただし、都道府県によって郵送対応の可否が異なるため、事前に確認をしましょう。
郵送する際は、簡易書留など追跡可能な方法を利用すると安心です。
オンライン申請
安全運転管理者の変更手続きは、警察庁の「警察行政手続サイト」を利用した、オンライン申請も利用できます。
申請者はサイトにアクセスし、必要事項を入力した後、変更届出書や証明書類をアップロードしてください。
申請後は審査が行われ、問題がなければ受理されます。オンライン申請は時間や場所を問わず手続きできるため、窓口や郵送よりも便利です。
一部地域ではオンライン申請に対応していない場合があるので、事前に確認をしましょう。
オンライン申請については、こちらからご確認ください。
安全運転管理者の変更に必要な書類
安全運転管理者を変更する場合に、必要な書類は次の通りです。
- ・解任届(廃業や車両の減少で自動車台数が規定数以下になった場合等)
- ・選任替届(安全運転管理者を選任替えした場合)
- ・後任者の住民票
- ・後任者の運転免許証の表面および裏面の写し
- ・後任者の運転記録証明書
- ・後任者の運転管理経歴証明書
解任届が必要になるのは、廃業や車両の減少による場合です。退職や転勤等で人が交替する場合は、選任替の届出となります。
安全運転管理者を変更する際に、費用は発生しません。
ただし、後任者の住民票や運転記録証明書を取得する過程で、それぞれ発行手数料がかかります。運転記録証明書は、交付手数料として670円が必要です。
安全運転管理者を変更する場合の、解任届・選任替届の記入例については、次の画像を参考にしてください。
【安全運転管理者・解任届の記入例】

画像引用元:解任届(廃業や車両の減少で自動車台数が規定数以下になった場合等) - 免許・交通 > 交通安全 > 安全運転管理者制度 | 広島県警察
【安全運転管理者・選任替届の記入例】

まとめ
安全運転管理者の変更が必要なのは、安全運転管理者が交代する場合や、事業所の住所や自動車台数、運転者の数等に関する変更がある場合です。
どちらの場合も、変更から15日以内に警察署へ変更の届出を行う必要があります。期日は必ず守らなければいけないので、解任から選任の流れはスムーズに行うようにしましょう。