2022.12.09

運送業界

運送業界の現状と課題は?将来性を考察

目次

現在ではAmazonや楽天など、インターネットで買い物をするのが当たり前の世の中になりました。

そのため、以前よりも宅配便の需要は増加していると思う人も多いでしょう。

ただし、新型コロナウイルスの影響により、お店へと荷物を運送する量は一時的に減少しました。

2022年10月現在では燃料費高騰や円安の影響により、運送業界やトラックドライバーの原状はどうなるか気になる人もいると思います。

この記事では、2022年9月に経済産業省が出したデータを元に、運送業界の現状と将来性について解説していきます。

運送業界の現状

運送には個人に物を届ける『宅配便』と、商品をスーパーなどの店舗に届ける『B to B貨物』が存在します。

経済産業省・国土交通省・農林水産省が2022年9月に出した資料によると、運送業界の現状は以下のようにまとめられています。

 

【新型コロナウイルスの影響】

  • B to B貨物は、経済の停滞等で一時 大幅に減少した
  • 宅配便については、通販受容の拡大について増加傾向が見られた

【燃料価格高騰関係】

  • 燃料価格高騰が経営に与える影響は大きい 
  • 燃料価格上昇分の収受額への反映が進んでいない事業者も多く、トラック運送事業の経営を圧迫している。

【トラックドライバーの年収と所得額】

  • 全産業の平均年収に比べると5%〜10%低いものの、年々 増加傾向にある
  • 大型トラック:463万円/中小型トラック:431万円(令和3年の年間所得額)
 

引用:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sustainable_logistics/pdf/001_02_00.pdf

 

以上のことからまとめると、B to B貨物が一時的に減ったものの宅配便の数は増えており、今後も仕事自体は増え続けるでしょう。

また、トラックドライバーの所得額は年々 増えていますが、燃料費の高騰は運送会社の経営を圧迫しており、予断を許さない状況と言えます。

「運送業界はドライバー不足」って本当?

こちらも同じデータからの結論ですが、運送業界はドライバー不足というのが現状です。原因としては次のようなものが挙げられます。

 

【物流の現状:トラック輸送の担い手数の推移】

  • 我が国の生産年齢人口は中長期的に減少傾向にあり、65歳以上の人口が増加していく
  • トラックドライバーについては、労働環境(労働時間、業務負荷等)から人材確保が容易ではな く、全産業に比して、平均年齢が3〜6歳程度高い
  • また、道路貨物運送業は65歳以上の就業者の割合も少ない業種となっており、対策を講じなけ れば、担い手の減少が急速に進んでいくおそれがある 
 

引用:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sustainable_logistics/pdf/001_02_00.pdf

 

やはり、少子高齢化や労働環境の影響により、トラックドライバーは年々 減少傾向にあります。

ドライバーは1995年〜2015年の20年間で21.3万人減少しました。さらに、2015年〜2030年には24.8万人減少すると言われており、これは働き手が全体で約3割いなくなる計算になります。

運送業界で働くメリット

ここまでの現状を見ると、運送業界で働くことにあまりメリットを感じられない人も多いでしょう。

しかし、運送業界で働くメリットはあります。次項の『運送業界の将来性について』でも触れますが、運送業界で働くメリットは以下が挙げられるでしょう。

 

【運送業界で働くメリット】

  • 売り手市場であり、仕事は増加傾向にある
  • 所得額は年々 増加傾向にある
  • 労働環境の見直しで働き方改革が進められている
 

「仕事はあるのに働き手はいない…。」こういう状況であれば、会社は積極的に働き手を募集します。

所得額も年々 増えているので、今後も良い給料でドライバーを募集する企業が増えてもおかしくはないでしょう。

運送業界の将来性について

運送業界の将来性については、以下の2つがポイントになるでしょう。

 
  • AIやITによる効率化
  • 労働環境の改善(2024年問題)
 

AIやITによる効率化

業務の負担を減らして、ドライバーが働きやすくするためには、AIの進化に大きな期待が寄せられています。

アプリの導入

例えば、ドライバーには日々の運転日報の記入が義務付けられています。そして、会社は一定期間 その日報を保管しなければいけません。

以前は紙での記入が当たり前で、記入項目の多さや保管の手間が現場の負担となっていました。

しかし、現在ではアプリの導入により、GPSを使って、走行距離や休憩情報など正確なデータを手軽に記録することが可能になっています。

クラウド上にデータを保存できるので、日報の保管も楽になりました。

このように、AIやITの進化で現場の負担を減らすことは、今後も進んでいくでしょう。

完全自動運転・無人運転

無人運転と聞くと「ドライバーの給料が減るのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、むしろ逆になると思います。

現在のトラック輸送における、平均積載率は約40%と低いです。

例えば、無人運転の導入で輸送効率が向上して、80%まで積載率を増やせれば、現在の半分のトラック台数で国内の貨物輸送を担うことができます。

一見 仕事が減り給料も減少するように思えますが、その分 会社の売り上げは増えて、有人ドライバーにも利益が還元される可能性があります。

労働環境の改善(2024年問題)

運送業界には『2024年問題』というのが存在します。2024年4月1日以降、自動車運転の業務に従事する労働者の残業時間には、以下の規制が適用されます。

 
  • 時間外労働の上限規制:年間960時間の適用
  • 罰則:6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金
 

例えば1ヶ月平均21. 5日働いた場合の、法定労働時間と時間外労働時間の割合は以下のようになります。

 
  • 法定労働時間:172時間(1日8時間労働)
  • 時間外労働時間:80時間(1日の平均残業が3~4時間)
 

平均すると以上のようになりますが、毎月こうなるとは限らないでしょう。繁忙期は残業が増えますが、閑散期は全く残業しないなどのギャップが出るはずです。

そのため、繁忙期は長距離運行や長時間労働をして稼げますが、それ以外の月は稼げないなど、月収に差が出るといったことも珍しくないでしょう。

ライフワークバランスは改善されますが、労働時間が減ることにより、ドライバーの減収や運送会社の売上の減少が懸念されています。

2024年以降はAIの進化や業務の効率化が鍵

2024年以降は労働時間に上限がかかります。

そのため、今まで当たり前だった無駄な作業を減らして業務を効率化し、ドライバーの給料を引き上げるために、各企業がどう対応していくかがポイントです。

 

【課題】

  • ドライバーの減少と高齢化
  • 平均積載率が40%と低い
  • 非効率的な労働環境
  • 2024年問題でドライバーの賃貸低下の懸念
 

【解決策】

  • AIやITを活用した効率化
  • 荷役時間の削減
  • 検品時間の削減
  • 適切な運行計画
 

実際に厚生労働省と国土交通省では、『トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会』を、定期的に開催しています。

参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou_269215.html

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